「リュート・デュオで奏でるダウランドの世界」を聴きに行った。

リュート・デュオ1
あれれ?また2カ月以上経ってしまった。3月の話です。
リュートの大家ジョン・ダウランドの曲をリュートで、しかもデュオで、というコンサートです。

今井館聖書講堂は みのりてんデュオ『ニコラ・マッテイスの源流をたずねて』以来だ。
前回はバロックヴァイオリンとテオルボやバロックギターだったから、まあリュートつながりと言えなくもない。テオルボはやたらとネックの長いリュートだからね。

 

デュオなので2台リュートがある。
向かって左側のこちら👇に佐藤亜紀子氏が座り、上の写真👆の方にルネ・ジェニス=フォルジャ氏が座った。
リュート・デュオ2

このコンサートで取り上げるジョン・ダウランドはエリザベス朝の時期に活躍したリュート奏者、作曲家だ。
『流れよ、我が涙』もしくは『ラクリメ・パヴァン』が大ヒット作品で、大勢の作曲家がそれぞれアレンジしたものを発表している。ラクリメの他にもダウランドには『蛙のガリアルド』とか『失われし望みのファンシー』とか素敵な曲がたくさんある。わたしはとても好きです。

今年はダウランド没後400年だそうだ。そういえば昨年はオーランド・ギボンズが没後400年だったし 2023年はウィリアム・バードが没後400年だった。エリザベス朝音楽好きとしてはちょっとそわそわする。

 

プログラムによると、リュート二重奏をダウランドは2曲しか書かなかったらしい。しかもそのうちの1曲は1台のリュートを二人で弾く余興のようなものなんだそうだ。
そういうわけで、このコンサートはダウランドの独奏曲や合奏曲をデュオにアレンジしたものを演奏された。アレンジは佐藤氏によるものもあればジェニス氏によるものもあった。
両氏のソロ演奏もあって、音色はリュートのみでダウランドしばりの選曲だけれど、飽きないように工夫されていた。

当時のはやり歌の『ロビン』、「私の窓から出ておいき』、『ウォルシンガム』は鍵盤楽器用のフィッツウィリアム・ヴァージナルブックにも収められていて わたしはそちらの方をよく聴いていたので、リュートによる演奏は雰囲気が違っていて面白かった。
1曲だけダウランドではない作曲家、トーマス・ロビンソンの『女王様のおやすみ』という曲も演奏された。原語だと The Queen's Good Night で、夜のあいさつですね。
同時代の作曲家で鍵盤楽器の大家のジョン・ブルの曲に Bull's Good Night というのがあってわたしは大好きなのだが、なるほど、どちらも幸せな気持ちで眠れるような曲だ。

『別れ』は『イン・ノミネ』のテーマだ。『イン・ノミネ』は1520年ごろにイングランドのジョン・タヴァナーによって作曲されたミサ曲『なんじ聖三位一体に栄光あれ』の「ベネディクトゥス」楽章で「イン・ノミネ・ドミニ」と歌う部分が元ネタで、はやり歌ではないね。『イン・ノミネ』も大勢の曲家によるアレンジが沢山あってジョン・ブルのものとか愛聴していたので、嬉しい。
同じ曲を競ってアレンジしたり、という当時をがうかがえるのが楽しい。

 

リュートは本当にかそけき音色だ。ギターが発明されるのも分かる。大きな音を出そうと弦を強く撥くと弦が指板に当たってしまう。スラップ奏法っぽいやつ。弦高が低いのだろう。他の演奏家の演奏も観てみたいと思った。
聴衆が皆、息を凝らして かそけき音色に耳をそばだてる。哀愁漂う音色がよい。

 

コンサート最後の曲は佐藤氏によるダウランドのメドレーで11曲をつないであるらしい。

ダウランドの名曲 Forlorn Hope Fancy (失われし望みのファンシー)という曲は演奏しないのかなあ、と思っていたらメドレーに出てきました。嬉しい。
メドレーの曲を全て当ててアンケートに書いてコンサート終了時に出してくれたら後のコンサートを割引します、とプログラムにあった。11曲はムリだった😺

 

佐藤氏は、亡くなった恩師の夫君のリュートを5台 恩師から託されたのだそうだ。そのうちの2台が今回のコンサートで使われたそうだ。

チラシ表👇️ 2台のリュートは大きさが違う。大きい方をジェニス氏が弾いたらしい。佐藤氏には大きすぎるんですって。納得。
リュート・デュオのチラシ表

チラシ裏👇️
リュートのタブ譜を背景に文字が打たれているのだが、読みにくい😸
チラシの両面はこちらがよく読めます。
リュート・デュオのチラシ裏

パンフレット。
リュート・デュオのパンフレット

 

オマケ:六義園。今井館聖書講堂のそばなのです。
時間があったので、コンサートのまえに寄ってみた。

株立ちしている竹だ。よく見るマダケとかシノダケと違うので、物珍しくてしげしげ見てしまう。ホウライチクかなあ?
六義園2

桜が咲いたので見に来たとおぼしき人の列が六義園の入口に並んでいたよ。
というわけで、桜を見上げて写真を撮る人も多い。
六義園の桜1

枝垂れ桜も大人気だ。
枝を支える棒がいくつも立っている。
六義園の桜2

山奥に住んでいるせいか、残念ながら不自然さが目についてリラックスした気持ちにはならなかった。公園を愛する方々、すみません